夢への扉

その74 「二宮金次郎の報徳に学ぶ」講演会 編

 9月13日(木)、二宮金次郎7代目子孫である中桐万里子さんの講演会を、役員・基幹職・その他各部門で理念の活動を進めている方を対象に行いました。中桐さんとのご縁は、友人から借りた1枚のCDを聴いたことから始まり、ひょんなことから飲み会で知り合った人に紹介され、今回の講演会へとつながりました。私はソミック石川の6代目、中桐さんは二宮家の7代目…、何やら不思議なご縁を感じています。
 
 
それでは、中桐さんのお話で学んだ点をキーワードとしてまとめてみたいと思います。
 
「常に、一歩前へ」
 二宮金次郎の銅像は有名ですが、この中でも一番大切なものは、本でもなく担いでいる薪でもなく、一歩踏み出している足にあるそうです。常に歩いていること、いつも一歩前へと進んでいることが、最も大切なことです。
 
「よく見る」
 全てのことは、まずよく見ること、「気づき」から始まります。それは、ものを「ただ見る」ではなく、「よく見る」ことです。それはきっと現場をよく見て真因を見付けること、人の表情や動きを見て人の心を知ることだと思います。
 
「めばった樹」
 めばった樹とは、とことん成長の遅い小さな低い樹のことです。しかし、この樹は他のものに比べ、年輪が密となり、そしてその根は縦に深く張り、雨風に強い樹に育ちます。人も上面で判断するのではなく、奥にある本当の姿を見るようにしたいものです。
 
「積小為大」
 積小為大とは、金次郎が作ったとされる造語です。「毎日の小さいことの積み重ねが、大きな事を成し遂げる」そして「大きな幸せは小さいところにある小さな種から生まれる」という2つの意味があるそうです
 
「報徳」
 報徳とは、よく言われる「徳をすれば報われる」ではなく、「徳に報いる」という意味です。今を生きている自分たちは、あらゆるものから恩恵を受けて生きています。日々の中にある「徳」に感謝し、その「徳」を自らの力に変えて報いていくべきという考えです。ソミック石川の100年は、数え切れない多くの人たちに支えられてきた歴史であり、今を生きる自分たちも、そのご恩に感謝し、ご恩を返していかなくてはならないと考えます。
 
 
 今回の講演を聴いて一番感じたことは、全ては「よく見る」から始まることだということです。これは、現場でも同じ事だと思います。まずは現場をよく見る、そしてそこで働く人をよく見ることが大切です。よく見ることで、人の気持ちを知ることができ、それが人のつながりを作り出します。
そのつながりが力となり、人は力いっぱい努力できるのだと思いました。